白湯(さゆ)とは、水を沸かしたお湯のことです。お茶などを抽出して色のついたお湯と区別して、まっさらな透明な湯という意味で白湯、といいます。水を10〜15分沸騰させた後50℃〜60℃程度まで冷ました飲み物で、辞書的な意味合いとしては「ただのお湯」でしかありませんが、白湯をゆっくり飲むことは健康法・美容法として注目を集めています。
白湯が特別な飲み物として扱われるルーツは、「アーユルヴェーダ」にあります。アーユルヴェーダでは、白湯は消化力を高め、浄化力や代謝力を上げ、生命力のもととなるエネルギーをつくる飲み物と考えられているからです。
そんな白湯に期待できる効果は「毒素や老廃物の排出を促す」・「体を温めて代謝を上げる」・「食欲を抑制する」・「脂肪の燃焼を促進する」・「勉強や仕事の能率を上げて精神を安定させる」などです。
中でも重要なのは毒素や老廃物の排出を促すという点です。実は体内の老廃物の75%は便として排出され、続いて尿が20%、汗が3%、毛髪や爪がそれぞれ1%となっています。つまりいかに水分をしっかりと摂り便や尿をしっかりと排出するかという事がデトックスを考えるうえで最も大切です。
体が脱水状態になると、尿や便などから老廃物を適切に排出できなくなります。尿の回数が減ればその分、尿から老廃物が排出されるのが遅くなります。
便秘になると本来排出されるべき老廃物がたまってしまい、肌荒れ・吹き出物など、肌や体のトラブルまで引き起こされます。習慣的に白湯をとることで尿の回数を増やしたり、便秘を解消したりすることは、老廃物をデトックスすることにつながるのです。
白湯の基本的な作り方はやかんに水を入れ、10~15分沸騰させたら火を止め適温まで冷ましたら完成です。しかし、耐熱コップに入れた水を電子レンジで温めたり、ウォーターサーバーの熱湯機能を使って入れても構いません。
白湯には正しい飲み方もあります。「朝一番に白湯を飲む」・「コップ1杯を5分〜10分かけてすするように飲む」・「食事中は少しずつ飲む」・「1日700〜800mL以上は飲まない」・「1週間は続ける」などです。
中でも重要なのは「朝一番に白湯を飲む」です。というのは、アーユルヴェーダの視点から見ると、朝は最も毒素が出やすい時間帯だからです。初めて白湯を飲む方は、朝一番の白湯にチャレンジするところから始めましょう。
そのうえ、朝一番は冷えやすい時間帯でもあるので、この時間に温かい白湯を体に入れることで、未消化物を排出しながら基礎代謝を上げることができます。
医学的な見地からも、起床時の「目覚めの一杯」の水分補給は重要とされています。就寝中にたくさんの汗をかき、水分不足に陥りがちだからです。さらに「腸のスイッチ」が入ることで、胃腸が活発に動き出しますので便秘解消にも繋がります。